人智学的つれづれ草

日常の体験と人智学で学んだことを結びつけ、広げます。

子供とお寺とビジネスと。

ある大きなお不動さんへ一年のお礼にとお参りに行った。今日の印象をふたつ。本堂の一番上の階に、お不動様のご本尊と金色に輝く多数の仏さまが祭ってあるのだが、五歳児くらいのお子さんが堂内を駆け回っており、母親に注意されていたのだが、その子の発する言葉に、驚くとともに感心してしまった。「不思議な空間だなー」というひとこと目と、「上にも神様がいるんだね」という二言目である。圧倒されるくらいの金色の仏像が並んでいる様は、確かに不思議な感覚を覚えさせるが、二言目に発した言葉は、初めはよくわからなかった。少し経ち、天井を見上げてみると、そこには、仏様の絵が一面に描かれていた。この子は、この空間全体を見、感じていたに違いない。まことに、子供には大人にはできない不可思議な力が残っているように思った。天の世界では持っていた人間本来の直観力は大人になると、確実に失われてしまう。
 もう一つの印象を述べておくと、本堂中央に、当然ながらお賽銭箱があるのだが、それに加え、口を限界にまで上のほうに大きく開けた巨大な金色に輝く“賽銭蛙”が二体おいてあった。お寺の意図は違うところにあるのだろうが、仏教のビジネス面をここまで象徴的に見せられると、自分の信仰心が揺らいでくるようにも感じる。私はいかなる宗教・宗派にも属していないが、空海上人への帰依心は変わりようがない。