ファンタジーを自伝風に書いてみたので、披露する。魂のタイプ別、天界での職業というテーマだ。人智学の認識に基づいているのだが、単なる空想と思っていただければいい。
【第一話】
私Aは生前、哲学者の仕事をやっていた。思考を深く掘り下げるのが好きだったのだ。物質的なものにはあまり関心がなかった。日常生活では、妻に頼りっきりだった。あの世では、天界の思考の流れを通じて、宇宙の秩序を形づくる天使たちに協力している。言わば、宇宙の思考構造を織りなす建築家として、地上で行った思索を、天界では「未来文明の原型構造」に翻訳している。「思想の建築設計図」を描く仕事といってもいい。考えることが、組み立てることに変わるとは、思ってもみなかった。
【第二話】
私Bは、作曲家だった。バッハのような宗教音楽に惹かれ、そのような気分で曲を書いていた。今はここで、星々や人間や神々のリズムが織りなす大交響の中で、新たなハーモニーを生み出すお手伝いをしている。つい先日には、春の色彩、花の形、風や光のリズムを作曲し、地上の人に届けた。
金星圏では愛と調和の旋律を、水星圏では思考のリズムを整える仕事をしている。生まれようとする魂が、星々の影響を受けて地上に降りるとき、それぞれの星の響きが“音階”のように配置されるが、私はこの音階を調和させる“編曲”を担当している。ここでは、言葉や概念はなく、音の共鳴が魂同士の対話となっている。たとえば、ある魂が「献身的に生きた」なら、その魂は温かいメジャーな和音を発するし、「真理を探求した魂」は鋭い透明なトーンを響かせる。音楽の先生には、形態を持たない光と音の霊的存在もいて、私はまだその先生には会える資格を持っていない。まだまだ修行が必要のようだ。
【第三話】
私Cは、地上では介護の仕事をしていた。ここでは、人間が誕生するときの準備を担っている。両親や環境の選定、星的影響の配置などだ。私を指導してくれている天使からは、「地上で愛を注いだ魂は、天上で新しい生命を地上に送るのを助ける仕事に携わる」と言われている。
【第四話】
私Dは、科学者だった。観察と分析、因果関係を明らかにするのが、何より好きだった。物質的世界に対する正確な理解をとても重んじていたのだ。死後私は、「宇宙の法則の保守・修正」に関わる仕事をしている。次の物質界での物質構造や自然法則の更新に携わっている。地上の物質世界はすべて、ここから発せられているのだ。
【第五話】
私Eは、教育の仕事をしていた。ここでは今、霊的助産婦をやっている。この仕事は、まだ地上に降りる前の魂に、星々の影響を織り込み、適切な親や環境・文化を選ばせる手助けをするものだ。Cさんと協力しながらやっている。私たちは霊界で、「カルマの織り師」と言われている。この仕事の“報酬”は、愛の中で生まれる「未来の子どもたちの輝き」を遠くから感じること。
これが、霊界での深い喜びとなっている。最近これが少なくなっているのが気がかりだ。
【第六話】
私は、普通のサラリーマンだった。特に秀でたところもなく、地道に定年まで働いた。障害をもつ子を残して旅立ち、とても心残りだったのだが、天界では思わぬ仕事をするようになった。霊界の郵便配達夫である。この仕事ほど、大切にされる職業はないように感じる。魂と魂の調停役というか、つなぎ役というか、結び役というのか、とにかく天使に次ぐ「地位」なのだ。仕事をしている瞬間瞬間が至福に満たされている。
ちなみに、うわさに聞くところによれば、天界の仕事・職業は、
通勤も報酬もないが、“目的と意味”に満ちている。
「疲れる」ことはまったくない。むしろ、行為が行為者を養う。
すべての働きは「他者」「全体」「神的秩序」への奉仕である。
各魂の活動が相互に響き合い、地上では「歴史・文化・自然現象」として現れる。
という性格があるそうだ。
だが、すぐに天界に転職したりせず、今は地上の務めに励みたい。