人智学的つれづれ草

日常の体験と人智学で学んだことを結びつけ、広げます。

谷川俊太郎さんと中島みゆき様の対話

新聞の「再読 あの言葉」という欄に15年前の谷川俊太郎さんへのインタビューが載っていた。谷川さんの返答で興味深かったのは、「自分をどうからっぽにして言葉を待つか」、「作品が真理を示しているかとか、そんな気はまったくなくて、きれいで人が楽しんでくれればいい。」などだが、誰にでも詩情はあり、ささやかなことでも、自覚しないで楽しんでいる、ともおっしゃっていて、詩人は“言葉の職人”だとも言っている。誰もが「夕焼けがきれいだな」と思うが、それを言葉にできる人とそうでない人がいる。心情は同じということだと思う。

“言葉の職人”という表現で思い出したのが、中島みゆきのうたである。以前から谷川さんとみゆきさんの詩と歌詞に、何か共通する一種神秘的な源泉があるように感じていたのだが、なんとお二人は対談をしていることがわかった。1回目は1980年、2回目はそれから42年後の2022年である。

2回目の対談は、表面的に読むと普通の世間話に加えて色々な身近な話題にあふれているが、驚いたのは、二人とも42年前の対談内容を細かく覚えていたことである。やはり天才と言われる人は違うんだなーと感心した。

最後に、魂のことが話題になったとき、今まで私が感じていた共通の源泉は魂に関する何かだったんだな、という思いを強くした。一番印象に残った対談の発言は、みゆきさんが楽しみにしていると言っていることで、「谷川さんに、こんど、いつ、お会いするかしらって。数百年後にスイッと会ったら素敵ね。」という発言だった。この奥ゆかしい言葉の前で、難しい宗教的解釈をする気は、全く無くなってしまった。

二つの対話は『終わりなき対話』というタイトルで出版されている。ちなみに、本の帯には、「300年後に会いましょう!」と出ていた。