内閣府が、孤独・孤立の実態を把握し、主に福祉政策などの基礎とする第4回目の調査結果を発表した。
どのメディアも、「孤独感がある人」のほうに注目し、約4割に達する、などと書いている。目的が、社会の色々な面で問題となっている孤独・孤立をいかに減らせるか、という主旨だと思うので、当然その点に着目しているのは、もっともなことと思う。
ただ、調査は主に五段階択一式の定量的評価なので、アンケートでどれかに〇をつけた人の統計的な結果となっている。孤独感を感じている4割の方に共感するものが私にもある。
驚いたのは、孤独感を「ほとんどない+決してない」人の合計が、なんと59%もいらしたことである。“一体、どのような方々なのだろうか?”と色々想像してしまった。そんな人がいるのだろうか、とさえ思える。定性調査ではないので、その内心は、おしはかることができないが、大家族の人・仕事や趣味で超忙しい人・友達や仲間がたくさんいる人・ペットを飼っている人、手帳が毎日びっしり埋まっている人、などだろうか?私が思ったのはつまり、孤独感を感じる間がない人ととらえたのだが、表面においてハッピーな人とも言えるかもしれない。
内面的な視点から、孤独感を感じないことのデメリットを考えてみた。
・他人が孤独や寂しさを感じる状況に共感しづらくなる
・自分の感情や価値観を深く掘り下げる機会が少なくなる
・他者への愛や共感を深める土台が築きにくい
・「誰かがいないとダメ」という依存的な愛になりやすい
・いつも他者に合わせているので、「自分にとっての自由」が見えてこない
内閣府は、瞑想や人生哲学を求めているのではないので、調査結果から完全に外れたことになる。孤独の中でこそ人間の本質的な「愛の欲求」が明らかになることを色々な小説と実体験から勉強させていただいたので、このような視点になってしまった。