毎年三月半ばになると、土地の公示価格が発表される。土地を所有されている方は、気になるかもしれないが、私の関心は、「土地は本来誰のものなのか?」という、疑問にある。一般的に、土地が商品になったのは、17世紀のヨーロッパと言われ、封建制度から資本主義への移行が進んだ結果、土地が私有財産として売買され、投資対象や商品として取引されるようになったと言われている。土地はそれが領土になれば、実に様々な物質的価値を生み出すので、その所有権を巡る競争や対立が戦争の引き金となった例は多くある。今でもそうだ。
それでは、土地が「商品」になる前はどうだったのだろうか?一部の思想家は、土地は人間が自然と共存するための基本的なリソースであり、全ての人々に平等に所有されるべきだと考えたようだが、私は、あえて言えば、土地は地球のものであり、人間のものではない、という思いが強い。大気と同じである。多くの争いの原因が土地の存在に還元されるような気がする。現代社会では、法律や経済的な視点(営利主義)が強く反映されているが、倫理的、哲学的な議論も依然として重要ではないだろうか?日本人智学協会の代表だった高橋巖先生は、よく「土地を売買するような社会は地獄ですよね」とおっしゃっていた。