人智学的つれづれ草

日常の体験と人智学で学んだことを結びつけ、広げます。

面白い時間論

時間とは何か?という問いに関して、お笑いタレントが専門家の講義を受け、理解した結果を識者の前で発表する、というテレビ番組があった。専門領域は、心理学・物理学・哲学である。とても面白かったが、人智学とほとんど同じ考え方が随所に出てきたので、とてもびっくりした。そのうち、いくつかをあげてみたい。

1 「人体はエントロピー増大を食い止めている」大変珍しい存在であること。
エントロピーとは、簡単に言うとすべてが散らばっていくことを表しているが、人体だけでなく動物やその他のすべての“生命”は、エントロピー増大に逆行していると思う。物質の世界では確実に、バラバラになる方向をとっているのに、なぜ生命は違うのか、もっと考えていい気がする。人も死ねば、物質の部分はエントロピー増大の法則にしたがうが、生きている間は、それを食い止めている。いったい何が「食い止めている」のかを専門家は触れなかったが、人智学では死つまり物質化を食い止めているものを「生命体またはエーテル体」と呼んでいる。人間には肉体(物質体)に加えて、エーテル体があることを人智学では認識している。しかし、「人体はエントロピー増大を食い止めている」ことまで言及できているのが、現代の学問がかなり進んできたことを表している。

2 「時間とは何か、という問いは、空間とは何か?という問いとセットで考えないと進まなくなった。」こと。
これに続いて、専門家がいう仮説は、「宇宙が生まれたばかりの時は、物も時間も空間も全部同じ起源をもっていた」とのことである。その後に、それぞれ役割が変わっていった、ともおっしゃっていた。人智学(神智学)でも、同じような考えをしている。仮説とはいえ、先端的と思われる今の学問が、人智学に近づいてきているように感じ、うれしかった。人智学でも時間や空間ができた時、役割分担があったような説明があるので、そう感じたのである。

3 「人間は時間を行ったり来たりして生きている。」こと。これを言い換えると、過去も現在も未来もすべて“未完了”である、ということだそうだ。つまり、全てが“進行形”であると言っていい。外国語の文法にそれぞれ進行形があるようなものだ。人智学では、「過去も未来も現在に存在してもいる」と主張する。自然科学的には、証明できないのだが、人智学は、“精神(魂)”の領域を探求するので、そういえる。これは、ただ昔を思い出したり、先のことを予想したりすることではなく、過去の自分や未来の自分が今ここにいる、といったニュアンスである。