今日の夕刊一面に「頼れる障害者」という言葉が載っていた。
ある医大では、雇用率の達成だけではなく、自身をもって
生きていく力を持つことが使命と話しているという。
この記事を読んで、すぐに思い出した言葉がある。
高橋巖先生が日ごろ何度もおっしゃっていた言葉で、
それは、「人間は、生きているだけで価値がある」という言葉だった。
普通の常識では、何もせず食べて寝て、何も生み出さずグータラ生きている
人間には、何の価値もない、という風に考えがちだが、
人智学ではそういう認識はしない。私はそのように理解してきた。
もうすぐ息絶える、という人にも“仕事”ができるという考え方をする。
あと数分で息を引き取る、といった人でも、たとえば、家族に心の中で
“微笑む”ことができることがある。これは、大変な仕事とみなすことが
できると思う。これほどの価値のある“仕事”があるであろうか?
人間の本当の仕事とお金は、全く結びつかないと思う。