人智学的つれづれ草

日常の体験と人智学で学んだことを結びつけ、広げます。

2026-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ソメイヨシノの幹に見えたもの

ソメイヨシノの幹を見ていて、この木は何百年も生きているのかと思ったら、寿命は60年から80年ほどだそうだ。それを聞くと、急に親しみがわいてくる。ソメイヨシノがなんだか人の群れに見えてきたが、年齢だけのせいではないような気もする。幹の滑らか…

今だけ、サクラをうたう。

ツボミ、フクレて、ハル、キザシ。 サクラのカタチ、はな、ヒラキ。ヒカリユラいで、かぜナガレ。 イノチのメブキ、メグリゆく。ちりゆくスガタ、うつろうカタチ。 サクラのスガタ、ココロにウツル。コトバ、スガタ、カタチ、など、日本語は根源的なものを三…

本日、なんでも卒業式

学生時代は、卒業式はこんな印象だった。「嬉しいのに寂しく、解放されたのに不安で、終わったのに始まっていない。」社会に出て職についてからは、ただただ仕事に夢中で、区切りとなる出来事はいろいろあったが、気づいたら「人生の卒業式」も遠くなくなっ…

お彼岸に想うこと

お墓参りをしながら、こんなことを考えた。「死者の霊魂は実在している」と表現するとオカルト扱いされ、 「死者の霊魂は心の中でいつまでも生きている」と言うと、万人に同感される。 この違いは、どういうことなのだろうか?それは、「気持ちの持ちようの…

お彼岸の六波羅蜜について

六波羅蜜 キャラ風仏教では、彼岸の7日間は“六波羅蜜”という修行をするそうだ。布施、持戒、忍辱、精進、禅定、般若の六つは、「人におしみなく与え、正しい生活をし、怒らず努力し、心を静めて真理を知る」、という徳を表す。これらを、「聖人になれ」とと…

『魂でもいいから、そばにいてー3・11後の霊体験を聞く』

『魂でもいいから、そばにいて』奥野修司 新潮社この上なく真摯なノンフィクションを読んだ。遺族の方々が語る、亡くなった霊を実感できた不思議な話がつづられている。奥野氏は、「この世を去った大切なあの人を語るときの、生き遺った人のにごりのない言葉…

十三まいりと虚空蔵―次の世界への扉

「十三まいり」は、数え年13歳を迎える子どもの通過儀礼で、知恵の菩薩「虚空蔵菩薩」へ参り、知恵や福徳祈願をする伝統行事だ。数え年の13歳は、生まれてから干支が一周するタイミングのため、人生の節目である13歳まで健康に育ったことに感謝する意味合い…

千の光になって

『千の風になって』のような歌を人智学風に表現した詩を書こうと思って奮闘したのだが、私には詩作の才能がないことが分かった。散文の箇条書きで死者の言葉を並べることはできそうなので、それを試みる。死んだ直後から、死者が体験するおおよその順番で、…

絵本から色彩を考える

日本の伝統色 見本帳名著の絵本を読むテレビで、ヤマザキマリさんが、こんなような趣旨のことを言っていた。「色の深みを知ることは、語彙を増やすのと同じ。“これは今日飲んだ紅茶の色に似ている”とか“昨日見た枯葉の色に似ている”とか、自分にしかわからな…

画家のフランシス・ベーコンについて

『ジョージ・ダイアーの三習作』(1969)大江健三郎が画家のベーコンについて語るテレビを見て、初めてベーコンを知った。激しくデフォルメされ、大きな口を開けて叫ぶ奇怪な人間像などに衝撃をうけた。また、言いようのない不安感が残る。「激しい感情や恐怖…

国際女性デーによせて

ミモザ今日は国際女性デーだ。その要点は、女性の権利の歴史を記憶し、現在の不平等を認識するとともに未来の社会を改善すること、と言われ、女性の尊厳と社会参加を世界全体で確認する日となっている。主なテーマは、男女賃金格差、教育機会、政治参加、暴…

「美術作品の解読法入門」のガイダンスに参加して

頭部の絵の変遷大学の公開講座でこの四月から、「美術作品の解読法入門」という講座が始まる。そのガイダンスに参加してきた。この講座は、「きれい」「感動した」では、物足りない人向けだ。図像学と図像解釈学によって、時代のメッセージを読み解く講座の…

一万回会社に行った僕

100万回生きたねこ 佐野 洋子 講談社“100分で名著”というテレビで、『100万回生きたねこ』という絵本が取り上げられていたので、さっそく読んでみた。誰のものでもない本来の自分を生きるとは、どういうことなのかを教えてくれる。絵本は、論調には似合わな…

タロットに少し興味をもって思ったこと

タロット 愚者カード 寅さん版占いにのめり込むことはないが、それに惹かれる人間の精神には深い興味がある。西洋占星術と易には、ずいぶんと影響を受け研究もしたが、今は一応「卒業」したつもりだ。最近ふとしたことがきっかけで、タロットに興味を持った…

偶然の不思議についてーシンクロニシティ

禅門の異流 秋月龍珉 講談社学術文庫『禅門の異流』という、ちょっと変わった禅僧を紹介する本を最近読んだ。一休さんや良寛さんや盤珪さんなどについて書かれたものだ。これを読んで、これらの禅僧の生き方や知恵を現代に生かすような生涯学習講座ができそ…

花粉症とマルメロ

花粉症とマルメロ新聞に「古今東西の花粉症」という大特集記事があった。日本人の4割以上がかかっており、19世紀には英米国の白人知識層しかかからない文明病とされていたそうだ。専門家の記事も載っており、「現代人は清潔になり感染症にかかりにくくなっ…

啓蟄の日に土と昆虫と妖精のことを考える

土と昆虫とノーム啓蟄は、冬のあいだ地中に潜んでいた虫たちが春の雷に驚いて地上に出てくる頃とされている。地の中の生命力が、上昇運動を開始し、天からの光に対して、地が「はい」と答える瞬間だ。土の中の虫の役割を考えてみた。代表的なのはミミズだ。…

「たたかう仏像」を見に行く

たたかう仏像展 静嘉堂文庫美術館静嘉堂文庫美術館で開催している「たたかう仏像」展に行ってきて、自然にわいた疑問をしるす。柔和で優しくて穏やかな仏像を見ると、いっときだが、そういう気持ちになれそうに思う。だが、怒っている仏像を見たとき、怒りの…

五人囃子の意味を考える

文化遺産オンライン 五人囃子(能楽)今日は「ごーにんばーやーしの ふえたいこー」がうたわれる日だ。「雛人形は子供をけがや病気から守り、将来幸せな家庭を築けるようにという両親の祈りを込めて飾られるもの」、という常識はさておき、五人囃子の意味に…

「君の存在が誰かの光になっている。」と言われたら?

「ことば」に感動NHKで放送しているtoi-toiという番組で、「“ことば”に救われるのって、なんでだろう?」の回を見た。そこで強烈に印象に残った言葉があったので、残しておきたい。この番組の趣旨は、《ある人が心の奥底に抱いてきた「問い」を、みんなで考え…