人智学的つれづれ草

日常の体験と人智学で学んだことを結びつけ、広げます。

2025-12-01から1ヶ月間の記事一覧

今年を振り返るー「終わり良ければすべて良し」?

一年ももうすぐ終わりとなるが、“出会い”の視点で自分の今年を読んでみようと思う。出会いを精神科学的にとらえると、次のような問いが立てられる。1 今年、私の前に現れた特徴的な出来事と人は? 2 それは私にどんな力を授けようとしていたか? 3 私はそ…

雪的な魂

日本海側では大雪のようで、「たいへんだ!たいへんだ!」のような声が聞かれる。そのような声は、大人のもので、言わば「社会的な雪」としてのものだ。子どもは、なぜ雪遊びが好きなのだろうか?雪に向かって駆ける子どもの姿には、人間の本質がよく表れて…

クリスマスツリーの飾りの形について

人智学では、クリスマスツリーは季節の飾り、という見方以外に、人間と宇宙の霊的履歴を凝縮した象徴体系ともみている。飾りなどの形について、触れておきたい。ツリーそのものであるもみの木は、冬に葉を落とさない常緑樹であり、永遠の生命と不滅の自我の…

映画のクリスマス・キャロルについて

ディケンズの文学作品、『クリスマス・キャロル』は、何回も映画になっている。この作品の思想は人智学や仏教の死後観となぜかとてもよく似ている。キリスト教にあまり親しくない日本で一定の人気があるのも不思議だ。 あらすじはこうだ。≪主人公のスクルー…

サンタクロースとなまはげは、人を100歳まで助ける。

「三つ子の魂百まで」という諺があるが、この時期思い起こされるのが、サンタクロースとなまはげだ。この諺は通常、「幼い時に形成された性格は老年期になっても変わらない」という意味とされている。どう性格が作られるのかは、まわりの環境と状況にかかっ…

冬至の日の魂の過ごし方

冬至の日は、暦によると、北半球で昼が最も短く、夜が最も長い。魂の観点では冬至とは、「物質的太陽が最も弱まり、心魂的太陽が最も近づく時点」と表現される。冬至は一年で最も太陽が弱まる瞬間と、内面の自我の光が最大限に目覚める瞬間が一致する。外界…

『最高の人生の見つけ方』と『生きる』――今を生きる?あの世を生きる?

映画、『最高の人生の見つけ方』の監督、ロブ・ライナーさんが亡くなって、あらためてこの映画のことを思い出した。あらすじはこうだ。≪余命宣告を受けた二人の男が、同じ病室で出会う。一人は、成功を極めた実業家。富と権力を手に入れたが、家族とも心を通…

「友よ、こんな音ではない!」 第九は秘儀参入の歌?

今まで、第九の《歓喜の歌》にあまり関心を持たなかったのだが、あらためてその歌詞を読んでみると、人智学的な考えとほぼ同じことを言っていることに気づかされた。第四楽章冒頭の“否定の叫び”のような和音は、人智学的にはまさに「自我が旧いアストラルを…

囲炉裏はどこにいった?

囲炉裏端いきなり、「なぜ日本では“囲炉裏”が神聖だったのか」、という問いから入ります。もちろん、それが「神が一時的に人間界に座す場所」だったから、ということだと思うが、もう少し掘り下げてみたい。囲炉裏は「家の中心」だったし、家族が輪になり、“…

北風と旅人

北風と太陽北風が強くあたる季節になったが、冬場に朝出かける時、心の中で歌っていた曲がある。吉永小百合さんがうたっていた歌詞は、 〈 北風吹きぬく~寒い~朝も~ 心~ひとつで~暖かくなる 〉で始まる。朝はこの歌といっしょに「寒さなんかに負けない…

プチ・マドレーヌを食べたら思い出した“失われた時”のこと

今日、親戚の四十九日のお返しに、お菓子の詰め合わせセットをいただいたのだが、その中にマドレーヌが入っていた。たいへんおいしく舌の上で味わいながら、瞬間的に思い出したことがある。それは、プルーストの『失われた時を求めて』だ。この小説にプチ・…

地震と噴火は人に忠実?

最近、国内で地震が多いように思うのだが、火山島のハワイ島でも大規模な噴火が起きているという。その原因について、地球物理学や地震学とは違う見解もあるので、少し披露したい。人智学の枠組みで、「地震」と「噴火」を物質的現象の背後にある霊的プロセ…

スピリチュアル大掃除

年末に大掃除をやらない人も増えていると聞く。日本流通産業新聞によると、大掃除実施率は2000年代後半から緩やかに低下しており、2024年末の調査では 約51.1% が実施していて、2008年以降で過去最低になったというデータがある。日頃からこまめに掃除して…

あげて喜ぶ人ともらって喜ぶ人

これからひと月ぐらいの間は、贈り物が増える時期だ。“贈り物”といってもモノとは限らない。無形の贈り物ももちろんある。ところで、贈り物を「あげて喜ぶ人ともらって喜ぶ人」がいるように思うのだが、どうだろうか?極端な見方をして、「あげる人は愛情深…

ガーディアンはロボット?天使?

ガーディアンは、美術史や神話や宗教、そして現代の映画作品など、幅広い領域に登場する守護的存在だ。とても身近な存在でもある。子供の頃の両親のことだ。トトロもいる。お寺の山門には金剛力士が構え、ピラミッドはスフィンクスが守っている。大人になっ…

フウテンの妖怪、一休さん

あっかんべェ 一休「坂口尚と一休展」のフォーラムがあり、参加してきた。≪坂口尚からみる禅と日本まんが文化≫というものだ。漫画家の坂口尚は晩年、『あっかんべェ一休』を描いた。禅僧の一休宗純の生涯を描いた作品だ。解説的に言うと、“生きる意味、仏の…

『坊ちゃん』と、正義と愛とシュタイナー

漱石忌をひかえて、こんなことを思った。夏目漱石の『坊ちゃん』に出てくる数学の教師、山嵐。そのモデルとなったのは、隈本有尚(くまもとありたか)という、漱石に数学を教えた教師だ。東大の卒業式で「人間の真価は紙切れ一枚で決まるわけではない」と啖呵…

おおかみと満月

満月と狼満月を見ると心がざわめくような、ちょっと落ち着かないような印象を持つ。これはなぜだろうか?満月に結びついた儀礼を調べてみると、ほぼすべての文明や宗教で、収穫と浄化や予言、「境界を開く」といった働きを認めていたようだ。一部を挙げると…

冬の星空を“想う”

射手座 オリオン座夜空を見上げて、色々な星たちを見つめたいのだが、高層ビルの狭間では難しいものがある。だから“想い”を馳せてみた。今は、西洋占星術でいうと、射手座の領域にある。射手座は「矢を放つ」という行為そのものが象徴で、世界へ向かって飛び…

冬に体にいい金属

この時期、なんとなく“ヤル気”が落ちているような気分がある。何かが弱っているような微妙な感じがあるのだ。冬は、人間が宇宙から切り離され、自分の内部へ深く沈む季節で、人の持つ「肉体」、「生命体」、「意志・思考・感情体」、「自我」の四層の関係が…

田の神を迎える行事「あえのこと」

あえのこと奥能登などで行われる「あえのこと」は、田の神を家に迎え、厚くもてなし、翌年また田に送り返すという民俗行事で、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。田の神を、目には見えないが実在の客人として扱い、食事・風呂・休息をご案内し、翌春…

クローン文化財は生きている?

ゼウスの左足 バーミヤン天井画シルクロードの美術の講義で、アフガニスタンで発掘されたゼウス像の足とバーミヤン石窟の大仏天上壁画を鑑賞した。その二つの“遺宝”ともいえる貴重な美術品には、クローンが作られているという。一般にクローン芸術とかクロー…

曲線と直線と人間

曲線 芸術 直線たまに建築家などが、「都市には直線が多すぎて、自然由来の曲線や不規則性が欠けた空間は、知らず知らずのうちに人々の精神にストレスを与えている」といった趣旨の主張をしているのを聞く。また、角ばった輪郭より曲線を含む画像や形状の方…